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- 2024/08/28
【海外大合格23件】佼成学園躍進の原動力となったアントレプレナーシップ教育
佼成学園新設コース「グローバルコース」の基幹プログラム“Project: LEAP” 1期生の教育効果検証
タクトピア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:長井悠、以下タクトピア)は、2024年度で4期目を迎える佼成学園高等学校グローバルコースの基幹プログラムとして「Project: LEAP(プロジェクト:リープ)」を開発し、コース開設初年度から、高校1年生から2年生の2年間にわたるアントレプレナーシップ*プログラムとして提供してきました。今回、2024年3月卒業の1期生の進路実績が発表され、海外大学合格23件、総合型選抜・公募推薦合格25件、会社登記2件といった飛躍的な成果が示されました。1期生の実績に対して、タクトピアのアントレプレナーシッププログラムがどのように寄与し、生徒たちが何を学び、どのような成長を遂げたのか、L-lab主宰・グロービス経営大学院ファカルティの松永正樹氏(Ph.D., Pennsylvania State Univ.)と共に教育効果の検証を行い、レポートとしてまとめました。
*アントレプレナーシップとは:自分の持てる力を発揮して世界へ価値を届けるための思考・行動の能力。
【グローバルコース1期生の卓越した実績】
海外大学合格23件、総合型選抜・公募推薦合格25件、会社登記2件の快挙
「Project: LEAP」プログラムの導入により、佼成学園高等学校全体での現役海外大学合格数が2023年は4件だったのに対し、コース新設一期目にして2024年は23件の海外大学の合格実績を達成しました。
さらに、国内大学の進学先は慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)から東京藝術大学(絵画)まで多岐にわたり、プログラムを通じて発見した「自分のやりたいこと」を進路に反映させ、個々の興味や関心に基づいた進路選択が実現しました。
プログラムの成果は大学進学に留まらず、実際にプログラムで取り組んだプロジェクトを元に会社登記が2件、世界的なEdTechの大会「Global EdTech Startup Awards」の日本予選で審査員特別賞を受賞し英国 ロンドンのメインアリーナで開催された本選でのプレゼンテーション1件、YouTube番組「令和の虎」での投資獲得1件、といった、実践的な生徒の起業活動がみられ、学校外でも活動の幅を広げています。
「Global EdTech Startup Awards」の日本予選での様子
会社を設立し、「金融すごろく」を販売する様子
【グローバルコースの概要】
新設年度: 2021年
1期生卒業年月: 2024年3月
1期卒業人数: 35名
コース概要:
世界基準でものごとをとらえ、世界平和実現のために貢献できる真のグローバルリーダーになることを目的としたコース
導入プログラム:
連続講座と海外研修を組み合わせた2年間のアントレプレナーシッププログラム「Project: LEAP」
連続講座では、1年次に基礎編を実施し、アントレプレナーシップの基本を学びながら、アイデア創造からアプリ開発や商品開発などの試作品設計、一連の流れをまとめたプレゼンテーションまでを経験します。2年次には実践編として、机上のアイデア創造にとどまらず、考えたアイデアを実際に販売してみる、学校外の人々と協働してみるなど、実践活動に取り組みます。また、事業内容の相談、知見者の紹介、海外研修に向けた英語ピッチの指導など、幅広いメンタリングも適宜実施しています。
連続講座に加え、教室では経験できない本物に触れる原体験を獲得するため、1年次の夏季休暇期間にベトナム研修へ、2年次の3学期には集大成としてボストン研修を行い、学校での日常の学びと、海外での非日常の学びのサイクルを創出しています。ベトナム研修では現地の課題解決に取り組み、ボストン研修では1年間のアイデアの実践を通じたビジネスピッチを英語で現地起業家・投資家に行います。
こうしたプログラム全体を通じて、自己探究力、協働力、実現力を高めることを狙いとしています。
佼成学園Project: LEAPリーフレット
【Project: LEAPの効果測定】
2年間のプログラムを通して「アントレプレナーシップ関連コンピテンシー」及び「エージェンシー(行為者主体性)」の項目*でアントレプレナーシップの効果測定を行いました。効果測定は、プログラム開始前(Time1)、1年次終了後(Time2)、プログラム終了後(Time3)の3回に分けて実施しました。
*欧州委員会がヨーロッパ各国のアントレプレナーシップ教育を実態調査・評価するために開発したものに準拠した指標
*指標を用いた学術論文はこちら:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasve/36/0/36_91/_pdf/-char/ja
プログラムの効果を測定するために、潜在プロファイル分析*を用いてコンピテンシー3領域とエージェンシーを表す4つのスコア*から成る「アントレプレナーシップ・プロファイル*」を抽出し、生徒たちがどのように成長し、どのようなプロファイルに分類されるかを分析しました。
*潜在プロファイル分析(Latent Profile Analysis; Spurk et al., 2020)参照
*スコアは、いずれも1~7のリカート式尺度を用いて測定した(低:1~7:高)
*「プロファイル」とは、複数のスコアにもとづいて統計的に見出される独自のパターンを指す
・アントレプレナーシップが208~329%向上
分析の結果、プログラム開始時には、多くの生徒が「Low Competency/ローコンピテンシー」(LC)や「Mid Competency/ミッドコンピテンシー」(MC)のプロファイルに分類されており、アントレプレナーシップが発展途上段階にあることが示されていましたが、プログラムが進むにつれて「High Competency/ハイコンピテンシー」(HC)へと徐々に移行していく傾向が見られました。特に、1年生から2年生にかけて、全体的に「High Competency, High Agency/ハイコンピテンシー・ハイエージェンシー」(HCHA)プロファイルに移行する生徒が全体的に増加しました。これは、プログラムの各ステージでの学びが段階的に効果を発揮し、試行錯誤を通じて現状に対する改善案を提案するスキルだけではなく、主体的に課題を見出して社会変革に臨む姿勢を生徒たちが習得していったことを示すものです。特に、最初からアントレプレナーシップに秀でていた生徒が成果をあげたのではなく、プログラムでの教育を受け、成長が促されたことが伺えます。
具体的には、プログラム実施前(Time1)の時点では、コンピテンシーがやや低く、エージェンシーも発展途上段階の「Mid Competency」プロファイルに分類される生徒が最も多かったものの、プログラムのステージが進むごとに、「High Competency, High Agency」プロファイルに分類される生徒の割合が増加しました。
・単発ではなく2年間にわたる取り組みが成果の鍵
さらに、データ分析の結果、「Low Competency」から「High Competency, High Agency」へと一気に移行するケースは少なく、「Low」から「Mid」、「Mid」から「High Competency」、そして「High Competency」から「High Competency, High Agency」へと段階的に移行するパターンが多いことが確認されました。これは、アントレプレナーシップの成長が一朝一夕には達成されないものであり、継続的な努力と段階的な学びが重要であることを証明しています。1日だけといった単発の実施ではなく、2年間にわたりプログラムを提供することで、この成長を後押しすることが出来ています。
【アントレプレナーシップが高い生徒は合格実績を出す】
大学での進路実績が顕著な生徒達のアントレプレナーシップの伸長の相関を分析したところ、「High Competency」または「High Competency, High Agency」とプロファイリングされた生徒――つまり、プログラムを通じて最もアントレプレナーシップにおける成長を示した生徒たち――が、総合型選抜や推薦形式での大学合格者の90%を占め、国内トップ校や海外大学合格者の75~85%を占めました。
※ Time3時の調査に回答していない生徒についてはTime2時、Time2時も未回答の生徒はTime1時のデータをもとにプロファイルを推定
これらの成果は「誰かが何とかしてくれるだろうと期待するのではなく、変化を楽しみ、主体的に行動する力」を育むアントレプレナーシッププログラムが、受験に求められる能力の向上にも寄与していることを示唆するものです。課題解決の経験、自分が探究したいテーマの磨き上げ、自分の強みの自覚、大会での成績や起業実績など、これらの経験値が総合型選抜や推薦入試で高く評価されたと言えるでしょう。
詳しいレポートはこちらからダウンロード可能です:
https://forms.gle/vNk5aEE9WmQQQP19A
佼成学園グローバスコースは2期生以降も勢いが止まらず、4期生からは1クラス編成から2クラス編成へと倍増しています。1期生の輝かしい成果は、「自分で生き方を切り拓ける力としてのアントレプレナーシップ」を体現したと言えるでしょう。
タクトピアはこれからも唯一無二の「ラーニングデザイン・ファーム」として、学校をはじめとする教育機関と協働しながら、次世代のグローカルリーダー育成に向けてプログラムを提供していきます。
ベトナム研修でのインタビューの様子
基礎編の様子
ボストン研修での最終ピッチの様子
<佼成学園高等学校 グローバルコース プログラムディレクター 北野尚之先生のコメント>
「圧倒的な原体験」。グローバルコース1期生の生徒たちはアントレプレナーシップの獲得を通じて文字通り世界へ飛び立つための翼を手に入れました。学校を飛び出し、多くの起業家とつながり、自分の情熱に従ってビジネスアイデアを練り、検証し、プレゼンを繰り返してフィードバックを得て、改善していくことで生徒たちは自身を知り、社会を知り、他者と協働するすべを学びました。ボストンの投資家の前でビジネスピッチをした彼らは、たいていのことは「なんとかなる」というベンチャーマインドを持って卒業していきました。本校のProject: LEAPの成功はタクトピアとのパートナーシップなしではありえませんでした。生徒たちだけではなく本校にとっても大きな一歩を踏み出すきっかけとなりました。
<タクトピア代表長井からのコメント>
Project: LEAPは、タクトピアが持つすべての強みを注ぎ込んで実現した、現代日本の高校教育における「基幹プログラム」です。まず、このプログラムの実現にあたり、多大なる理解と協力をいただいている佼成学園の先生方に深く感謝申し上げます。今回、1期生の軌跡を追うことで、Project: LEAPがアントレプレナーシップの成長だけでなく、「行きたい方向に人生の舵を切る力」を獲得するのに大きく貢献していることが明らかになりました。この成果は、昨今の「探究 vs 大学受験」といった連綿と続く議論に一石を投じるものであると自負しております。私たちタクトピアは、今後もこのような科学的な分析を蓄積しつつ、「ラーニングデザイン・ファーム」として活動を続けます。教育の大きな転換点にある今、少しでも多くの教育機関を支援できることを願っております。
【タクトピア株式会社について】
タクトピアは、「グローカルリーダーの発射台」というミッションのもと、多様性あふれる仲間との「圧倒的な原体験」の共創を通じてグローカルリーダーを育成する、新しい学びを提供するラーニングデザイン・ファームです。海外研修、国内研修、英語学習、講演、教材など多岐に渡るプログラムをご支持いただき、2024年6月時点で、35,000名 以上に参加していただきました。今後もよりわくわく・充実したプログラムをご提供し、21世紀を生き抜く次世代型のリーダーを育成して参ります。
<会社概要>
会社名:タクトピア株式会社/TAKTOPIA & Co.
代表者:代表取締役 長井 悠
所在地:東京都千代田区神田錦町2-9 大新ビル5階
事業:グローカルリーダーシップ育成を目的とした、個人・教育機関向けの学びのデザイン、及びコンサルティング
設立:2015年4月