新潟から世界の大学へ飛び立つ

CASE
実績

  • 参加者事例
  • 新潟県立国際情報高等学校 蒲澤瑚々さん(以下瑚々)、保坂優芽さん(以下優芽)、村山愛さん(以下愛)、山賀美空さん(以下美空)、三寺璃空さん(以下璃空)、王新平さん(以下王)

新潟から世界の大学へ飛び立つ

INTRODUCTION記事紹介

2018年、高校1年生だった皆さんは、グローカルリーダー研修に参加し、アメリカ・ボストンに渡りました。その原体験から3年の時を経て、高校を卒業した2021年夏、当時は「少し興味があるかな?」と関心を寄せていた海外大学へ、それぞれが進学をします。今回は、研修参加者のうち6名の皆さんに、高校1年生の海外研修がどのような原経験だったのか。またその後、実際に海外大学に合格するまでの取り組みについてお伺いしました。

PROGRAMS
プログラム

2018年
グローカルリーダー研修@新潟県立国際情報高等学校

「実際のコミュニケーションを通して知る海外の大学生活」をテーマに、ボストンの6つの大学をめぐりました。単に「英語が好き」「世界への憧れを抱いたまま」ではなく、「地元をふくめた世界の変革に携わり、英語を手段として用いながら実際にアクションを起こす人物」になることを目指すプログラムです。プログラムでは、言語的・文化的に多様性のある環境へ飛び込み、そこで得たインスピレーションを自分ごととして捉えたうえで、世界進出を見据えたライフデザインを行い、海外で挑戦する同年代の学生へライフデザインを発信し、フィードバックを得る取り組みを行いました。

皆さん、本日はよろしくお願いします。まずは、それぞれの進学予定の大学と専攻を教えていただけますか?

美空:私はアメリカのイリノイ州にあるノックスカレッジで、アフリカンアメリカンスタディを専攻します。

瑚々:私はカナダのブリティッシュコロンビア州にあるバンクーバーアイランドユニバーシティーで、心理学を専攻します。

璃空:アメリカのミネソタ州にあるミネソタ大学ツインシティー校で、教育学を専攻します。

優芽:オーストラリアのグリフィス大学に進学予定で、専攻はまだ決まってないです。

王:私はオランダにあるハンズ大学で、国際ビジネスを専攻します。

愛:私はオーストラリアのゴールドコーストにあるボンド大学に進学予定です。


ありがとうございます、皆さん素晴らしいですね。今日は、海外大学を本格的に目指すきっかけとなったボストン研修についてお伺いできればと思いますが、なぜ皆さんは研修に応募されたのでしょうか?

愛:自分にとってすごく新しい挑戦だったからです。もともと英語が好きだったので海外の大学を見て周れる研修があるのは面白そうだなと思いました。

美空:私は自分の進路を明確にするための判断材料になればと思い参加しました。もともと海外大学に行こうか迷っていたのですが、決断するためにはやはり現地で見るというのが大事だと思いました。高校2年生から高校でコース選択があるのですが、海外大学進学コースに入るのであればこの研修に参加してないとだめだったことも理由の一つです。

優芽:海外大学に進むことが目標だったので、高校一年生のうちに自分の目で見たいという気持ちがあって参加しました。海外大学に進むことを目標にしていたのは、小さい頃から英語に興味があったからです。留学は自分の夢の一つなので、新潟県立国際情報高校を選んで海外大学進学コースに入りました。

瑚々:私は留学後のビジョンを明確にしたくて参加しました。小さい頃から英語や海外に興味があり留学をしたかったのですが、「何のために留学するのか」までははっきりとしていませんでした。これを機に、海外の大学を実際に見たり現地の人から話を聞いたりすることで、何か目標が見えてくるのではないかと思い参加を決意しました。

王:私は日本と海外どちらの大学に進学するかを決めるために参加しました。この研修が実施される前の高校一年生の夏休みに、東京にある大学をいくつか見学したので、この研修で海外の大学も見学することで、自分はどっちに行きたいのか決められるだろうと思いました。

璃空:僕は海外大学への興味本位で参加しました。海外大学進学コースがあるのは知っていたのですが、留学したいとか海外の大学に進みたいと思っているわけではなくて、単純に海外に行く機会として参加しました。


興味はあったものの、実際に研修に参加するとなると不安なことや、大変なことはあったのでしょうか?

瑚々:人前でプレゼンテーションをしたり英語を話したりする経験がなかったので、上手くいくか不安でした。研修の最終日に、みんなの前に立って英語でプレゼンテーションをする機会があったのですが、準備が全然進まなくて、本当にまずいなと思っていました。言いたいことはあるのにプレゼンをやったことがなかったせいで、どういう風にすれば相手に伝わるのか、全然分からなくて不安でした。今では海外大学進学コースで沢山練習したので慣れました。

璃空:僕は周りの人との熱量の差に不安を感じていました。海外大学の研修と聞くと、すごくまじめに勉強している人の専用コースだと勝手に思い込んでいたので、「とりあえず海外に行ける機会だから、思い切りで参加した。」という自分と他参加者の間にギャップを感じていました。皆それぞれの目的を持って研修に参加している中、事前研修の段階の時点で「自分はここにいていいのだろうか?」というプレッシャーがすごくのしかかってきました。一方で英語で話したりプレゼンテーションをしたりするのは好きだったので、そこに対しての不安はありませんでした。

美空:私自身海外に行くのが初めてで、英語でコミュニケーションを取れるかどうかが不安でした。英語だけの空間に身を置いたとこがなかったので、相手の言っていることが聞き取れなくて、自分が言っていることが伝わらない場面も何度かありました。例えば、インタビューをした時に自分が話している英語が全然伝わらなくて、諦めかけたときもありました。


実際に現地を訪れてみると、海外大学生や起業家と話す時間もありましたが、今でも印象に残っている言葉や話をした内容はありますか?

美空:私はMITで久保田しおんさんという学生の方とお話しした内容が今でも印象に残っています。久保田さんは物理学や哲学といった異なる学問を組み合わせて学んでいて、全然違う学問でも実は繋がりがあって、互いに助け合うことで自分の知りたいことが見えてくるという事を知りました。今振り返ってみると、異なるものも実は繋がっているということを実感できているのですが、当時は全然知らなくて、面白いなって思いました。

愛:私もしおんさんについて印象に残っています。しおんさんと話していて、自分の好きなことを見つけた時のスイッチが入ってからの勢いがすごいなと思いました。それはとても魅力的だなと感じたのを覚えています。

優芽:私は経営者のRachel Hanebuttさんという方にお会いした際、「もしこの世界に自分のやりたいことがなければ自分から作ってしまえ。」と仰っていた言葉がずっと心に残っています。その言葉は自分の夢を叶えるための言葉になっています。

瑚々:事前準備の時から研修が終わるまで、質問することが一番大事だと言われ続けたことです。私自身英語が得意ではなかったけど、せっかくボストンに来たのだから一生懸命話しかけることを目標に頑張っていました。なので、研修期間中は一番に質問する、分からないことがあればすぐに聞くという積極的な気持ちで過ごしていました。研修に参加するまでそういう気持ちになったことがなかったので、自分自身驚いたと同時に、頑張ったなって思いました。


海外大学生や現地起業家と多くの話しをする中で、自分自身に変化はありましたか?

瑚々:チャレンジする気持ちが大切なのだという事を学びました。留学生やインタビュー相手の方が、私のつたない英語に対しても丁寧に答えを出してくれて、すごく嬉しい気持ちになったことを覚えています。誰でも最初はチャレンジしたり変化したりすることに躊躇う瞬間はあると思うのですが、それを乗り越えてチャレンジしたことで自分に自信がつきました。自分の気持ちが変わったというより、前より自信を持って行動できるようになりました。

愛:私も瑚々さんの言っていることにすごく共感しました。これまで質問することに対して怖いと思っていたのが、一歩踏み出してみたことで自分に自信を持てたような気がします。質問したことで自分が成長できた気がして、すごくポジティブな気持ちになりました。

璃空:僕は皆が言うような明るいことよりも、つらいことの方が印象に残っています。例えば、学生の話を聞いていると、最初の一か月は友達が出来なくて鬱っぽくなったとか、課題を出された時に、コーヒーを10杯も飲みながら徹夜でやったという話も聞きました。研修を通して、大学生活に自由なイメージを抱いていたのですが、そういう話も聞いて、自由で楽しい生活の裏には努力が必要なんだと知りました。僕は、大学は遊ぶイメージがあったのですが、そのイメージと全く逆の答えが返ってきてびっくりしました。

王:私が一番印象に残っているのはインタビューです。初めての海外なので英語を使って話すことに緊張していて、大学キャンパス内で道行く人をつかまえてインタビューをしようにも、最初の方は道をぐるぐる回るだけで全然話しかけられませんでした。ですが、勇気を出して話しかけてみたら、時間が経つと共に段々慣れて自然に話しかけられるようになりました。

瑚々:私は、ボストンで私たちが泊っていたホテルで起きたコインランドリーの話が、印象に残っています。夜に洗濯をしようと思って優芽さんと一緒にコインランドリー行ったのですが、洗濯機の動かし方が分からず周りに聞く人もいなくて、一時間ぐらい通路をうろうろしていました。フロントに助けを求めたのですが、私の英語があまり通じなくて「どうしよう。」と思っていたら、後ろにいた中国人のお姉さんたちが「どうしたの?」と話しかけてくれ、コインランドリーの使い方を教えてくれ、両替まで手伝っていただきました。本当はもっと英語を上手に喋れたら、丁寧に感謝の言葉を伝えられるのにと思いつつ、その時はThank youしか言えませんでした。それがすごくもどかしくて、日本語だったらもっと丁寧な言葉で言いたいこと言えるのに、英語だと全然言葉が出てこなくて。もっと英語を勉強したいと思ったのと同時に、人の温かみも感じました。言葉が通じなくても、手伝ってくれる人は世界中にいるのだなと思い、それをきっかけに留学を通してもっと世界を見てみたいと思いました。


プログラム最中だけでなく、現地でのふとした日常的な場面でも大事な経験を得られますよね。プログラムの最後には、自身のライフビジョンを発表したと思いますが、自分にとってどういう意味がありましたか?

愛:発表するという事は他の人に伝えるという事だから、自分の中で「こうしよう。」と思うだけで完結させるより、言葉に重みがあるなと思いました。

美空:どういう風に発表をすれば、見てくれている人に効果的に伝わるのかを考える練習になりました。例えばスライドのレイアウトや、どういう風に話せば魅力的に聞こえるかなどを考えるために、鏡の前に立って練習していました。私たちのグループは大学ごとの特徴を比べたものを発表したのですが、図や表を使って説明することがあったので、見やすくするために何度も見直しをしました。

璃空:将来のビジョンを発表するプレゼンを通して、自分の目標を高校一年生の段階で決めたことが、その後の高校生活にすごく役立ちました。プレゼンの場では、『積極的に質問して困難を解決する。』と発表したのですが、後の高校生活ではそれを意識しながら生活していました。意識するのとしないのでは、課題解決の仕方や難易度が変わったりして、自分の助けになったと感じる場面が沢山あったので、ビジョンや目標を決めておくことは大事だと感じました。

優芽:私は、本番に向けてチームと個人の両方で何度も練習することが大事だと思いました。3分や5分のプレゼンのために何時間も準備したのですが、それでも失敗してしまうことがあるからです。

瑚々:先ほども述べたのですが、インタビューやプレゼンテーションを通して、人に話しかけることや自分の意見を発表することに対しての自信がついたと思います。英語でみんなの前で喋ることも含めて、もともと私はそういうものがあまり得意ではありませんでした。 ですが、インタビューを通して調べて情報をまとめて、いっぱい練習して、人前で発表して成功した体験が自信に繋がりました。

王:プログラムの最後にプレゼンテーションをしたことで自分に自信が持てるようになったし、これがあったことで自分のミッションを忘れずに過ごすことができました。ただ楽しかっただけではなく、自分が海外の大学について知りたい情報はメモしておいたことで、将来の役に立ったと思いました。


研修に参加後、実際に海外大学に進学しようと決めた時期やどうやって行きたい大学を見つけたか、聞かせてください。

美空:私はこの研修に参加した時点で、行こうと決めていました。実際に現地の人の様子を見たことで、「自分は絶対ここに行きたい。」と感じ、その気持ちがあるなら行かないと後悔すると思いました。なので、研修を担当してもらった北嶋友香さんにもいろいろ相談して、海外大学への進学を決めました。進学先の大学選びに関しては、研修で経験したものが活かされていて、沢山質問をしたし、自分が知りたい情報は自分で取りにいかないといけないというのを学んだので、研修後に留学フェローシップのキャンプに行ったり、そこで知り合った大学生に直接連絡先を聞き、話を聞いたりしていく中で、「自分に合っている大学はこれだ。」と思い、選んだのがノックスカレッジでした。

愛:この研修の前は海外の大学に行きたいのかよく分かっていなかったのですが、研修に参加して本格的に行きたいなと思うようになりました。Harvard大学などといった海外大学を実際に見たことにすごく影響を受け、もともと自分の中にあった「英語が好きでもっと使えるようになりたい。」という思いが強くなりました。せっかく「英語を頑張りたいな。」と思うのなら、「自分が勉強したいことを、英語で勉強しちゃえばいいのかな。」と思ったので行こうと思いました。それに、海外大学進学という選択肢は、自分にとって新しい選択肢だったので興味を持ちました。高校一年生でまだ海外大学について知識があまりなかった頃は、漠然とアメリカかなと思っていたのですが、自分の勉強したいことや大学の様子を考えた結果、カナダに行きたいと感じ、更にそこから色々調べていった結果、最終的にオーストラリアに決めました。

王:私はこの研修の前から海外大学に行きたいという思いがありました。あまり人とコミュニケーションを取ることが得意ではないので、海外大学に行って自分にプレッシャーをかけて成長したいなと思いました。最初はカナダに行きたいと思っていましたが、カナダやアメリカは学費が高くて、ヨーロッパの大学を調べると、オランダは英語が話せる中、学費もアメリカより安くて、日本の私立大学と同じ程度だったのでそこに決めました。

瑚々:私はこの研修に行く前から留学したいなと思っていました。研修に参加してキャンパスで学生に話や体験談を聞いたりして目的がクリアになり、海外に留学しようと強く心に決めました。夏休みに留学フェローシップのキャンプへ行って、そこで色々な国の大学生から話を聞いた結果、自分に合った大学がカナダにあるバンクーバーアイランドユニバーシティーだと分かりました。私はやりたいことに加えて、勉強する環境やどういうサポートがあるのかに重点を置いていたので、それも含めて調べた結果、自分が今第一志望にしている大学が一番良かったのでその大学にしました。

優芽:私が決心したのは研修参加後の年明け1-2月あたりです。海外大学進学コースに行きたいと思い研修に参加しましたが、現地に行ってワクワクが膨らんで、自分もこういうところで大学生活を送りたいなと思いました。最終的にオーストラリアに決めるまではカナダに行きたいと思っていたのですが、先生を含め色々な人から助言をもらい、考え抜いた結果オーストラリアがすごくいいなと思いました。学費もカナダよりオーストラリアの方が安く、それも決め手の一つになりました。

璃空:僕が海外大学進学を決めたのはこの研修が終わった後です。参加前に自分が思っていた未来のビジョンが、研修によって全部壊されたというか、新たな見方や進路を与えてくれたことが理由です。そこそこの日本の大学に行って、そこそこの就職先に行くのだろうなって思っていた自分の未来予想図を、全部変えてくれたので、そのインパクトがやっぱり強かったかなと思います。僕は出願の締め切りぎりぎりまで、国や大学を迷っていたんですけど、優芽さんが言ったように先生からのアドバイスや、自分で大学とメールのやり取りをしたり、イベントに参加したりして調べてみた結果、最後は直感でこの大学だったら自分を受け入れてくれるだろうという思いが決め手になりました。


最後に、皆さんと同じように海外大学に興味があるけど一歩を踏み出すか迷っている中高生へのメッセージ、そして今後の宣言を教えて頂けますか?

美空:中高生へ「少しでも興味があるなら、たくさん情報収集を!自分にとって最適な選択をできるように。」目標「病まないようにする(笑)将来の夢である差別問題を解決できるような知識、技術を身につける。」

璃空:中高生へ「自分とは別世界だと思わないで、海外に飛び込んでみよう!あなたが本当にやりたいことが見えてくるはずです。」目標「海外進学という自分の選択で後悔しないように一生懸命勉強して、大学生活を思い切り充実させます!」

愛:中高生へ「漠然としていても、なんでもいいから、憧れのもの、ことを見つけられるともっとワクワクすると思う。そのために、まずはそれに向かって挑戦してみることが、まずは初めのステップなのかなと思います。」目標「自分の中に既にあるやりたいことを展開させて、残りの人生で自分がこれを極めたいと思えるようなことを見つける。間違ってもいいから。」

瑚々:中高生へ「人生は1度きりです。自分がやりたいことをやった先に最高の未来があると私は信じています。後悔をしないように1度きりの人生を楽しんでください!」目標「とにかくチャレンジ!失敗は気にしない!初心を忘れないで自分の学びたいことに対して全力を尽くすこと。」

王:中高生へ「興味があれば、とりあえず行動しましょう!情報を調べてみても、他の人からアドバイスをもらっても!」目標「大学で精一杯で知識を学んで、将来は国際貿易で役にたつ人になりたい」


新潟県立国際情報高校 海外大学進学コースの皆さん、ありがとうございました。夢と希望を抱きつつ、その実現に必要な努力ややるべきことにしっかりと目を向けて、着実に努力する姿がとても素敵でした。皆さんの海外大学での挑戦、心から応援しています!