好きを原動力に手を動かし続けた

CASE
実績

  • 参加者事例
  • 山手学院中学・高等学校 チームAvant-Garde 中澤篤人くん、小野政一くん

好きを原動力に手を動かし続けた

INTRODUCTION記事紹介

中澤くん(当時高校1年生)、小野くん(当時中学3年生)は、学校で実施された約1年に渡り本格的に身近な課題解決に挑戦するGrassroots Innovator Program(以下Grassroots)に1期生として挑戦してくれました。Grassrootsでは、チームAvant-Gardeという3人組で活動し、「テントになるポンチョを作りたい」という思いから、試行錯誤の末、実際に商品として販売できるクオリティの携帯天幕(テントになるポンチョ)を作り上げました。今回はチームを代表して中澤くんと小野くんに取り組みについてインタビューしました。

PROGRAMS
プログラム

2020年
アントレプレナーシップ連続講座Grassroots Innovator Program@山手学院

詳しくはこちら

日常生活の中にある身近な課題を捉え、チームでその解決に動く半年から1年にかけて行われるプログラムです。机上のアイデアに終わらせず、「教わる」のではなく「実際にやってみる」ことに重きを起き、アイデアを具現化させ課題が少しでも解決されるように友達・家族・先生・地域の人々・団体などに働きかける「社会実装」まで取り組みます。

チームAvant-GardeはGrassrootsでどんなプロジェクトを立ち上げましたか?

小野くん(以下小):僕たちのチームは、「テントになるポンチョ、携帯天幕」を作りました。目的は、テントとポンチョを1つにすることで、軽量化を図ることです。実は、ポーランド軍が同じものをつくっているのを知っていたので、「民間に広めたい!ポーランド軍より良い製品を作りたい!色をキャンプらしくしたい!」という思いで作ることにしました。携帯天幕には2つの特徴があって、1つ目は1.2kgと軽くつくったこと。ポーランド軍は3.8kg、市販のものは1.5kg(テント)+0.5kg(ポンチョ)=2kgなので比較すると軽いことがわかります。2つ目は、布一枚だけでつくっていることです。ポーランド軍は、布2枚を組み合わせて、テントをつくっています。


※チームAvant-Garde発表スライドより


中澤くん(以下中):このアイデアは小野くんの発案でした。Grassrootsの後半からこのチームは結成されたんですが、僕は後半のチーム決めの時にどこにも入れなくて困っていました。そこで、既にチーム組みが終わっている人たちにどんなプロジェクトか話を聞いて回ったところ、小野くんが面白いことをやっているなと思ってこのチームに参加しました。色んな選択肢がある中、小野くんのアイデアがおもしろいと思ったのは、僕がマウンテンバイクの部活に入っていることもあり、彼らの山とキャンプというテーマが自分に関連していると思ったからです。マウンテンバイクが好きなので、自分が一番貢献できそうなプロジェクトに取り組んでいると思いました。最終的にイメージしたものは作ることができました。


中澤くんはチーム組みに苦労したんですね。具体的にはどういう状況だったんでしょうか?

中:Grassrootsの後半で設けられたチーム組みの時間で、色々なチームを回っていたら小野くんたちのチームを見つけました。自分にとって、チーム決めは大変でした。中高一貫校に高校から外部入試で入学したこともあり、元々同学年で新しい仲間を作りたいと思って参加していました。そこで、いくつか高校生のチームに入れるか聞いたんですけど、すでに人数が集まっているからと断られてしまいました。そこで、先程の経緯で最終的に自分以外は中学生だけのチームになりました。その時は大変だと感じていましたが、今から考えると、ただ単に高校生のチームだからという事だけでチームを選ぶのではなく、しっかり取り組む内容に興味持ったチームに入れてよかったです。


ちなみに、小野くんはなぜポーランド軍の備品について知っていたんでしょうか?

小:小学校5年生か6年生くらいから、戦争を出来る限り理解したいと思って軍隊ものが趣味になりました。ポーランド軍の備品については、本で読んで知りました。日本陸軍の基礎知識です。軍関連のものの中で、テントになるポンチョが一番実用的だと思ったので作ろうと思いました。


チームAvant-Gardeはチームでの役割分担があったんでしょうか?

中:僕はリーダー的な役割を担って、もう1人のメンバーは色々な意見を言う役割でした。小野くんはいつも面白いことを言っていました。


携帯天幕はすごく素敵なものとして完成しましたが、作り上げるまでは相当大変だったんではないでしょうか?

中:ポンチョの構造を考えるのがしんどかったです。ポーランド軍が似たものを使っているとはいえ、その写真だけしかなく、モデルになる実物がなかったので、紙に展開図を書いて、そこから実際に組み立ててみたりしました。展開図を考え組み立てる時は、費用を抑えるために紙を布に代用して作りました。そうして何度も形を変えながら、いいものになるよう調整していきました。実際には、紙で作った展開図だと問題なくいい形になっていたんですけど、タクトピアさんに紹介してもらった企業の社員の方に、展開図をもとに作ったポンチョを試しに着てもらうと、後ろに尻尾のようなだぶついた布が余ってしまって、問題点が分かりました。素材は、講座に来てくれた物作りの講師の人に紹介された東京にあるミリタリーショップの店にチーム皆で行って、どういう材料が実際に使われているかを見て、布屋さんに行って同様の素材を買いました。また、自分たちとしてはテントよりもポンチョから考えたほうが楽かと思ったので、先に型取りしてポンチョを作ったんですけど、いざポンチョからテントの形にして広げると、幅が狭かったのでどうするか悩みました。試行錯誤のすえ、テントの頂点の高さの位置を色々と調べて、元の底面がひし形になっていたところから、円形になるように変えるとスペースが広がりました。算数的な知識から導き出したのではなく、何度も地道な変更を加えながらベストな位置を見つけようとしていました。家が畳の部屋だったので、ポンチョをマチ針で畳に留めて調整したりしていました。穴が沢山あきました(笑)。家族は「こんなの本当にできるの?」と最初は言ってあまり協力的でなかったんですが、形がどんどんできてくると手伝ってくれるようになりました。


小:作るのは本当に大変で、休みの日に夜遅くまで1人の家に集まり、布を切ったり、線を引いたりすることがしんどかったです。放課後もみんなで集まって布を切ったりしていました。


かなり試行錯誤をしたんですね。チームAvant-Gardeは企業の人にもアドバイスをもらいに行っていましたが、なぜ企業の人と話してみようと思いましたか?

中:企業の方のほうが、自分たちより専門性を持っているので、そういう人に聞いた方がいいと思いました。実際に話してみて、質問を聞けば答えて頂けるので、新たな問題点が分かったのはよかったです。色々な企業にまわったけど、褒めてくれることが多くて自信になりました。


プロジェクトの過程で、どんな時が楽しかったですか?

中:色々な問題があったけど、一個一個解決していくことが楽しかったです。ポンチョの最終的な形がなんとなく見えていたから、しんどくても頑張ろうと思えました。


小:デザインを考える時が楽しかったです。ポンチョをどんな色にするかで迷いました。最終的に迷彩柄は実用的だけどださいと思っていたので、キャンプらしいし、自然になじむ緑にしました。


逆に、どんな時が苦しかったですか?

中:ポンチョの構造を考える時に、みんなやりたい形が違うし、1つのアイデアに定まらないのが苦しかったです。ポンチョからテントにするときにどうすればかさばらずに展開できるか、特に話し合いました。なかなか方向性が定まらずにいましたが、その状況を変えるために、自分で1度試作品を作ってみて、その具体案をチームに見せて、「これのここがいいんじゃないか。」というのを話し合いながら決めました。


Grassrootsのプロジェクトを通じて、どんな新しい発見がありましたか?

中:普段の生活においては、チームのメンバー間であまり会話はなかったけど、作業の時はしっかり話ができる、お互いに真剣な一面があると分かりました。他にも、アイデア出しに煮詰まったりよく分からなくなったら、一回試作品を作ってしまい、実際の構造を見ながら決めることは、アイデアを前に進めるために重要な要素だと思いました。


小:仲間がいることはとても心強かったです。1人と3人ではできることが全然違うんだと分かりました。


そもそもGrassrootsにはどういう理由で参加してくれたんでしょうか?

中:高校生になったし何か新しいことをやりたかったからです。特にやりたいことのイメージは無かったけど、最初の説明会を聞いて、自分たちで考えるところがいいと思って参加しました。それに高校からの外部生だから周りに知っている人がいなくて、プログラムを通して仲いい人を作りたかったことも参加した理由です。


小:プログラムを機に学校通学路の混雑を解消したいと思ったからです。毎朝2000人の生徒が通学していつも混雑しているから、Grassrootsでそういう問題について取り組みたいと考えていました。Grassroots前半では混雑解消に取り組みましたが、後半に入る時に、集団の2~3m後ろを歩けば充分広いスペースを取れるので、混雑解消はすぐできるよねという話になり、その時のチームは解散して、テントをポンチョにする新しいアイデアに取り組むことにしました。


どんな期待とか不安を抱えながら参加しましたか。

中:期待としては、中学校の時に発表とか自分の意見を言うことがあまりできなかったので、プログラムを通してそういう力を身に付けたかったです。これまでは授業参観の時にしか発表する機会が無くて、親に「発表が下手だ」って言われていたので「やってやるぞ!」と思っていました。 だけど、周りのメンバーと仲良くできるかは不安でした。メンバー間の関係が上手くいけば、計画とか作業とかは後からなんとかなると思っていました。だからまずは周りのメンバーと仲良くなれるかに力を入れました。


どんな変化が自分たちにありましたか?

中:メンバーに相談して協力してもらう事ができるようになりました。Grassroots前半は自分以外のメンバー同士が、既に仲良くて喋りづらかったのと、あまり作業をやってくれなかったので、自分1人で「やってやる。」という感じでした。後半になって新しいチームになってからは、雰囲気が良かったし、ずばずば意見を言ってくれるから、自分も意見を言いやすかったです。


今後どんな展望、挑戦したいことがありますか?

中:これまで何事も一人でやろうという気持ちがあったけど、折り合いつけながら仲間と話しあうことも大切だと分かりました。全部自分でやろうと思うと、自分が見えている範囲が狭いせいで、1度決めてしまったことからから抜け出しにくくなるので、仲間の話を聞いて、新たな観点を取り入れながら活動して行こうと思います。勉強も友達に聞いたりしながらやりたいです。


小:全然関係ないけど、サバゲ―をしたことないから挑戦してみたいです。


Grassrootsのミッションはどのように感じますか?

中:最終的な目標があったから、それを達成するために頑張れました。なので、ゴールを先に設定されていて良かったと思います。


学校やタクトピアの存在はどのようなものでしたか?

中:学校は発表の練習を聞いてくれたりしてよかったです。タクトピアの人は練習以外に相談とか結構できたから、すごくよかったと思います。色んな講師の方も呼んでくれて、物づくりにおける考え方とか、いろんな分野の考え方を知れました。


中澤くん、小野くん、ありがとうございました!小野くんは趣味をもっと楽しめる挑戦をしてほしいと思いますし、中澤くんはより多くの仲間と新しい挑戦に取り組んでほしいと思います!ユニークなアイデアを素晴らしいクオリティで実現したチームAvant-Gardeの皆さん、ありがとうございました!